ぎゅうぎゅうだった布団が、急に広くなった夜。5歳長男との小さな卒業式
わが家には小学生の長女と5歳の長男がいる。
長女は成長期まっただ中。
3年生ながら140cm、40kg。
足の大きさはなんと24cm!
完全に私のサイズに追いつかれてしまった。
今では横に並んでも
「お、なかなか立派になったね。」
と思うほどの恵体。
その隣にいる長男はというと、
いつまでも”ちびっこ枠”のままだと思っていた。
でも、ふと気づいた。
身長はいつの間にか1メートルを超え、
腕や足も少しずつたくましくなっている。
「あれ?この子、意外に大きくなってる。」
長女の存在感に隠れていただけで、
長男もしっかり成長していたらしい。
そんな成長を一番実感したのは、
まさかの寝室だった。
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赤ちゃんの頃の寝相は、どんなに激しくても「
「かわいい寝相だねぇ」ですんでいた。
ところがここ一年。
彼の寝相は急速な進化をとげた。
横回転、縦回転、180度ターンはもはや日常茶飯事。
夜中に顔面へ飛んでくるかかと。
肋骨にめり込む膝。
そして極めつけは、渾身の頭突き。
あれは本当に泣いた。
「寝ているだけなのに、なぜ私は毎晩こんな仕打ちを受けているのか。プロレスは確かに好きだが観戦専門だぞ。」
そう思い始めた頃、試しに長男へ聞いてみた。
「お姉ちゃんの横に布団敷いて寝てみる?」
すると本人は意外にもあっさり承諾。
寝室からは修学旅行前夜のようなおしゃべりが聞こえてきた。
「まだ寝ないの?」
「もう寝るー!」
そんな声がしばらく続いたあと、二人ともぱたり。
本当に寝た。
拍子抜けするほど、あっさりと。
その夜、私の布団は驚くほど広かった。
毎晩ぎゅうぎゅうだった布団が、急に広くなった。
足を伸ばしても誰にもぶつからない。
寝返りも自由。
本来なら快適そのもののはずなのに、
隣のぬくもりがないだけで妙に落ち着かない。
そして、その晩。
情けないことに私はものすごい悪夢を見て、夜中に飛び起きた。
……添い寝を卒業できていなかったのは、長男ではなく私だったのである。
あれから2ヶ月が経ち、
今では私も広い布団にすっかり慣れた。
悪夢を見ることも、
夜中に頭突きを食らうこともない。
首が痛くない朝はありがたいのに、
少しだけ、もの足りない。
子どもは、こちらが思っているよりずっと軽やかに大きくなる。
「まだ小さい」と思っていたのは、
私だけだったのかもしれない。
これから先も、少しずつ手を離れていくのだろう。
そのたびに寂しくなって、
でもきっと、ちゃんと前へ進んでいく。
子どもが親から卒業していくように、
私も少しずつ「子どもの親初心者」を卒業していかなくちゃ。
そう思いながら今夜もふと、
ぎゅうぎゅうだったあの布団を少しだけ恋しく思う。